東北大学病院では、新型コロナウイルス感染症による重症患者の受け入れのほか、行政と密に連携し、検査から予防まであらゆる局面に積極的に対応し、地域の感染制御に貢献しました。具体的な取り組みは以下の通りです。（活動期間：2020/3/31?2023/5/7）

■宮城県新型コロナウイルス感染症対応病院長等会議の主導

議長：冨永悌二病院長（2023.3.31まで、2023.4.1から張替秀郎病院長）

• 設置：2020/3/31
• 開催回数：24回（不定期開催）
• 参加協?病院：当初25施設→現在44施設
• 会議内容：情報（各病院の?院ベッド数、?院患者数、新規陽性者数など）の共有?院病床の確保、他コロナ対応に必要な医療課題の解決等

■宮城県新型コロナウイルス感染症医療調整本部

本部長を冨永悌二病院長（2023.3.31まで、2023.4.1から張替秀郎病院長）、副本部長を石井正部長（総合地域医療教育支援部長）とし、仙台医療圏（14市町村）の医療機関と連携し、病床確保、入院調整、軽症者等宿泊療養施設入所調整などを行いました。

• 設置期間：2021/12/10?2023/5/7
• 業務内容：新規コロナ陽性者に対する外来アセスメント（レントゲン、採?等の検査）調整、新規コロナ陽性者ケアのマッチング（?院 or 医療機能付きホテル療養 or ホテル療養）調整、夜間の急変陽性者（ホテル?所者、?宅療養者）の対応、県内協?病院の重症ベッドコントロール、?齢者施設等?援調整（下記）、?院待機室マネージメント（下記）など
• 調整実績：?院調整：6,978件、ホテル?所調整：73,400件

■新型コロナウイルス感染症軽症者等宿泊療養施設への医療支援

全国的に見ても他に例を見ない医療機能付きホテルを設置し、感染者の宿泊療養のケアレベルを3階層（ホテル、医療機能付きホテル、入院）に分け調整を行ないました。医療機能付きホテルには、入院未満の比較的高度な医療提供が必要な陽性者を集約、検査?処方?補液?酸素などを提供し、感染拡大時には中等症Ⅱの一部の患者にも対応することで病院の病床の負荷軽減を図りました。

• ?援期間：2020/4/16?2023/5/7
• 本院?援参加診療科数：15診療科
• 通算?援ホテル数：9（瞬間?速最?1030室をカバー）
• のべ?援?所者数：18,477名（全体の57.9％）
• 往診回数：5,326件
• 検査回数：x-p 1,408件、採? 1,441件

■ドライブスルー型PCR検査外来の実施

大学病院としては全国に先駆けてドライブスルー型PCR検査外来を、仙台市内某所（非公開）に新たに設置した「東北大学診療所」において開始しました。高齢者施設等のクラスター発生に備え、施設に出向いての出張PCR検査についても行政からの要望に応じて実施しました。

• 稼働期間：2020/4/21～2022/6/6（※診療所の設置期間は2020/4/21～2023/5/31）
• 開催回数：445回、検査回数：15,873件
• 本院のべ出務者数：4,290名
• 医科1,471名、?科648名、看護部573名、事務局（主にDMAT）1,598名

■高齢者施設等支援（医療調整本部業務の?環）

宮城県医療調整本部員、宮城県?仙台市の感染制御支援チーム、仙台市DMAT支援団体とともに、高齢者施設に陽性者が発生した場合のマンパワーや物品、陽性者隔離や動線管理などの感染制御、入所者のケアなどのサポート体制を整備しました。

• 設置：2021/5/1
• のべ感染制御?援施設数：139、のべ業務継続?援施設数：43
• 本院の?援実績：のべ?援施設数：16、のべ?援?数：63?、のべ?援者数：126名

■新規陽性者の外来アセスメント支援

仙台市内の新規陽性者に対して実施している外来アセスメント（CT、採血検査など；16施設が参加）の一翼を担いました。

• 支援期間：2020/7/24～2023/4/30（毎月1回）
• 担当：救命、放射線診断科、看護部、検査部、放射線部
• 支援実績：90件

■東北大学ワクチン接種センター

大学を実施主体とした大規模接種センターとしては全国初となる東北大学ワクチン接種センター（張替秀郎（東北大学病院副院長）センター長）を開設しました。

• 設置期間：①2021/5/24?2021/11/12

  ②2021/12/20?2022/5/31）

  ③2022/6/1~2022/7/31)

  ④2022/12/1?2023/1/31

• 開催回数：584回
• 累計接種件数：802,027件、累計救護件数：4,270件（死亡例なし）
• ?援診療科数：37
• 本院のべ出務者数：医科 6,934名、?科 1,243名、薬剤師 720名

■抗体カクテル療法センター

新型コロナウイルス感染症軽症者等に対して抗体カクテルを集約的かつ効果的に投与することで重症化を予防することを目的とする抗体カクテル療法センター（石岡千加史（東北大学病院副院長）センター長）を、宿泊療養施設内に開設しました。

• 設置期間：2021/9/6?2021/10/11
• 担当：腫瘍内科、看護部、薬剤部
• 治療実績：82名

■?院待機室（医療調整本部業務の?環）

• 設置期間：2023/1/24?2023/3/5
• 業務内容：夜間、?院治療が必要にもかかわらず救急搬送が困難となった患者を?時的に受け?れ、?晩酸素投与や点滴治療等を?う。
• 治療実績：1名

■東北大学病院小児点滴センター

• 設置期間：2022/8/19～2023/3/31
• 担当：小児科、看護部
• 治療実績：10名

■重症患者の受け入れ

宮城県医療調整本部における調整のもとで県内協力病院と連携し、重症例を中心に患者を受け入れました。