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消化器内科

対象疾患と診療内容

消化器内科は上部消化管、下部消化管、肝臓、膵臓、胆嚢?胆道系の疾患を主に取り扱っています。

上部消化管疾患

胃癌

 胃癌は日本人に多い癌です。胃癌検診や内視鏡の技術の進歩によって早期発見?早期治療が確立し、死亡者数は減少傾向にあるものの、 依然として日本人のがん死亡者数、罹患数では上位に位置しています。当科においては、内視鏡による胃癌の早期発見や、進行癌を含む治療前の精密検査、早期胃癌に対する内視鏡治療を行っています。

食道癌

 食道癌(扁平上皮癌)の発生には飲酒?喫煙などの環境要因が大きく影響しています。食道癌発生初期のうちは無症状で、検診や人間ドックなどの際の内視鏡検査で発見されることも多いとされています。当科においては、内視鏡による食道癌の早期発見および進行癌を含む治療前の精密検査、早期食道癌に対する内視鏡治療を行っています。また、逆流性食道炎の合併症とされ、近年増加傾向にあるバレット食道腺癌に関しても、当科では多くの例を早期発見し、内視鏡治療を行っています。

胃?十二指腸潰瘍

 胃?十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター?ピロリ(ピロリ菌)や痛み止めなどの薬剤の内服により、胃酸分泌と粘膜防御機能のバランスが崩れることによって生じる粘膜傷害です。多くは胃酸分泌抑制薬などの薬物療法で治癒します。また、ピロリ菌の除菌により潰瘍が再発する可能性を小さくすることができます。これらの潰瘍に対しては、内視鏡による診断を行い、出血を伴う場合には内視鏡的止血術を行っています。また、ピロリ菌の除菌療法も積極的に行っており、二次除菌(保険診療で認められるのはここまで)失敗例に対しても対応しています。

胃食道逆流症?逆流性食道炎

 胃酸を含む胃内容物が食道へ逆流することによっておこる食道粘膜の炎症で、胸やけ、吞酸などの症状があります。内視鏡検査の際、びらんなどの粘膜傷害を認めるものを逆流性食道炎といいます。食生活の欧米化やピロリ菌感染者の減少に伴う胃酸分泌能の上昇により、胃食道逆流症は増加する傾向にあります。胃食道逆流症は胃酸分泌抑制薬による薬物療法でコントロールします。一方、食道に粘膜傷害がないものの、胸やけ症状が強い患者さんに対しては、食道内の酸逆流などを検査することができるpHインピーダンモニタリング検査や食道運動機能検査などを行い、その病態を明らかにして治療に反映させています。

機能性ディスペプシア

 胃や十二指腸に潰瘍などの器質的な病変がなくても胃の痛みやもたれなどの症状がある場合、機能性ディスペプシアと診断されますが、症状のコントロールが困難なことがしばしばあります。当科では、症状コントロールが難しい患者さんに対しても丁寧に診察し治療を行っています。

食道?胃静脈瘤

 食道や胃の静脈瘤は、肝硬変など門脈圧亢進症に合併し、出血をきたすと重篤な状態になることもあります。当科では、出血をきたした場合はもちろん、出血の危険性が高い場合も内視鏡で治療(内視鏡的硬化療法もしくは結紮術)を行っています。

その他の疾患

 胃粘膜下腫瘍、胃MALTリンパ腫、好酸球性食道炎などの上部消化管疾患に対して、内視鏡を用いて幅広く診療しています。

下部消化管疾患

クローン病

 下痢、腹痛を主訴とする原因不明の炎症性腸疾患ですが、近年遺伝統計学的、免疫学的にその原因が研究されています。胃?小腸にも炎症、潰瘍が発生します。栄養療法、ステロイド療法、免疫調整剤など従来の治療のほかに抗TNFα抗体製剤であるインフリキシマブ(レミケード)やアダリムマブ(ヒュミラ)、ウステキヌマブ(ステラーラ)、抗α4β7インテグリン抗体製剤であるべドリズマブ(エンタイビオ)を使った抗体治療も行われています。

潰瘍性大腸炎

 主に血便、腹痛を主訴とする、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性腸疾患です。クローン病とは異なり大腸以外に病気が発生する事が殆ど無く、多くの場合炎症は直腸より連続しています。治療は5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド療法のほかに白血球/好中球除去療法、免疫調節薬による治療が行われています。また、難治例にはタクロリムス(プログラフ)のほか、インフリキシマブ(レミケード)、アダリムマブ(ヒュミラ)、ゴリムマブ(シンポニー)などの投与や、JAK阻害剤であるトファシチニブ(ゼルヤンツ)、ベドリズマブ(エンタイビオ)による治療も行われています。

大腸がん?大腸ポリープ

 大腸がんは近年多くなってきているがんで、その背景には食生活の欧米化があると推測されています。良性の大腸ポリープが発育して大腸がんとなる事も報告されています。大腸がんは早期発見?早期治療が大変有効ながんで、早期がんの一部は内視鏡による切除で根治できることがあります。また、手術可能な時期なら手術により高い治療効果が望めます。

膵?胆嚢?胆道系疾患

急性膵炎

 急性膵炎は、膵臓が作る消化酵素によって膵臓自身が消化(自己消化)される病気です。最近、発生数が増加しています。突発的な激しい腹痛が主な症状で、原因として飲酒、胆石、高脂血症などがあります。このうち重症急性膵炎は致命率が約10%にも達し、集中治療を要する場合があります。

慢性膵炎

 膵臓の繰り返す炎症のために膵臓の細胞が破壊されて線維化し、膵臓全体が硬く、萎縮していく病気です。膵臓の中に石(膵石)や襄胞が出来ることもあります。原因の1つとして多量の飲酒があります。初めは持続性、または繰り返す腹痛が主な症状ですが、進行すると消化吸収障害や糖尿病を合併します。

膵腫瘍

 日本での癌による死亡数で、膵癌は男性で第5位、女性で第4位であり、年々増加しています。早期発見?治療が難しく、予後が極めて悪い癌です。治療法は主に手術になりますが、手術ができない進行癌に対する治療法の選択肢は徐々に増えつつあります。この他、膵腫瘍には粘液を産生する膵管内乳頭状粘液腫瘍(IPMN)や、内分泌細胞から発生する内分泌腫瘍などさまざまなタイプの腫瘍があります。

胆嚢?胆道系疾患

 この部位に起こる病気としては胆石症、胆嚢炎?胆管炎などの良性疾患と胆嚢癌?胆管癌などの悪性疾患があります。胆嚢癌?胆管癌では症状が少ないものがあり、早期発見が難しいな場合もありますが、これらの小さな病変の診断には胆嚢?胆道系疾患の診断に超音波内視鏡や管腔内超音波検査法などが用いられます。

肝疾患

ウイルス性肝炎

 主にA型、B型、C型、D型、E型があります。日本の肝炎の8割はウイルスが原因と言われています。B型?C型肝炎は慢性化することがあります。B型肝炎の治療にはエンテカビルやテノホビルという核酸アナログ製剤や、ペグインターフェロンが用いられ、治療方法が広がりつつあります。またC型肝炎に対しては、DAAというウィルスを強力に直接抑えることのできる副作用の少ない内服薬が急速に進歩しており、多くの患者さんを治療できるようになりました。

薬剤性肝障害

 薬剤が肝に直接的、間接的に働いて生じる肝細胞障害型と胆汁うっ滞のために起こる胆汁うっ滞型とその両方が起こる混合型の3つに分けられます。治療は起因薬剤の中止ですが、遷延する場合はステロイドや利胆剤を用いることもあります。

自己免疫性肝炎

 自己免疫により慢性に経過する肝炎で、適切に治療しなければ早期に肝硬変へと進展します。治療はステロイド投与による肝炎の沈静化と合併症のコントロールです。

原発性胆汁性胆管炎

 肝臓内の胆管炎によって慢性の胆汁うっ滞を起こす疾患で、原因として遺伝や免疫の関与が考えられています。以前は原発性胆汁性肝硬変と呼ばれていましたが、実際に肝硬変に進行するのは一部の患者さんだけであるため、最近になり病名が変更になりました。治療には利胆剤を使いますが、進行して生命予後が悪い場合肝移植が行われることがあります。

非アルコール性脂肪性肝疾患

 お酒をほとんど飲まないにもかかわらず、アルコール性肝障害のように脂肪肝をおこし、肝硬変や肝癌に進行する可能性のある病気です。糖尿病をはじめとしたメタボリック症候群を関係しており、最近増加しています。肝生検などにより診断し、栄養療法を行います。

肝細胞癌

 肝細胞癌のほとんどは慢性的な肝臓の病気のある患者さんに発生します。このため慢性肝炎や肝硬変がある場合、定期的に超音波検査やCT検査をして、早期発見することが重要です。治療としては手術のほか、内科治療として肝動脈塞栓療法やラジオ波焼灼療法、放射線照射、抗がん剤内服?点滴?動脈注射があります。

診療の特色

上部消化管疾患

 胃?食道癌や粘膜下腫瘍に対して従来の内視鏡に加え超音波内視鏡も用いて、病気の広さと深さを詳細に診断しています。食道癌や胃癌のうち、内視鏡治療可能なものに対しては、従来の内視鏡的粘膜切除術(EMR)に加え、より広く切除可能な粘膜下層剥離術(ESD)も取り入れて早期治療を行っています。胃、食道の病気を粘膜の状態や胃酸分泌の状態の観点から詳細に検討?把握するために、組織検査、pHモニタリング、胃液検査なども積極的に行っています。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

下部消化管疾患

 拡大内視鏡を用いた大腸腫瘍の詳細な観察と粘膜切除術や粘膜下層切開剥離術による早期治療を行っています。

 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対する最新の治療を行っています。難治例には生物学的製剤を用いた治療も行っています。

膵?胆嚢?胆道系疾患

 膵炎の原因や病態の解明のために遺伝子解析を行っています。

 重症急性膵炎に対しては膵臓に流入する動脈から高濃度の薬剤を直接的?持続的に投与する動注療法などの新しい治療法を取り入れ、当院肝?胆?膵外科との連携のもと重症例の救命率向上に取り組んでいます。

 慢性膵炎に対して、内視鏡を用いて膵石を取り除く採石術、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、膵管内にチューブを留置し膵液の流れをよくするステント留置、内視鏡で嚢胞にチューブを挿入する嚢胞ドレナージ術など、各種内視鏡治療を取り入れています。

 胆道腫瘍?膵腫瘍の診断のため、胃?十二指腸から超音波で病変を観察する超音波内視鏡や、胆管?膵管から超音波で病変を観察する管内超音波検査を導入し、小さな腫瘍や腫瘍の広がりなどを詳細に観察しています。 通常は採取の難しい膵臓の組織を超音波内視鏡で採取する超音波内視鏡下穿刺吸引生検法(EUS-FNA)を用いて膵臓病の適確な診断に取り組んでいます。

慢性膵炎のERP

肝疾患

 肝疾患の正確な診断のために肝生検や血管造影検査を行っています。

 ウイルス性肝炎をはじめとした慢性肝炎?肝硬変の治療に抗ウイルス剤の投与など最新の治療を行っています。

 通常の超音波検査では描出の困難な肝細胞癌に対しては造影超音波検査やCT画像を同期させた超音波検査を行い、詳細に観察?治療を行っています。 肝細胞癌の内科的治療として肝動脈塞栓療法、ラジオ波焼灼療法、持続動注化学療法、放射線照射に加え、免疫チェックポイント阻害剤を含めた最新の抗がん剤投与を行っています。

肝動脈化学塞栓療法(TACE)

年間症例数

(2021年度)

総入院患者数 1,502人
上部消化管グループ 288人
下部消化管グループ 382人
膵臓グループ 517人
肝臓グループ 315人

上部消化管グループ

上部内視鏡検査 7,960件
上部超音波内視鏡検査 68件
上部超音波内視鏡下穿刺吸引生検 8件
食道内視鏡的粘膜下層剥離術 87件
胃内視鏡的粘膜下層剥離術
123件
食道?胃?十二指腸粘膜切除術
27件
胃?十二指腸ポリペクトミー
5件
内視鏡的上部消化管出血止血術
145件
内視鏡的硬化療法
32件
内視鏡的結紮術
7件
食道バルーン拡張術
100件
異物摘出術
27件
内視鏡的胃瘻造設術
109件
胃瘻交換術
136件

下部消化管グループ

大腸内視鏡検査 2,665件
小腸内視鏡検査(バルーン式小腸内視鏡?カプセル内視鏡) 88件
大腸内視鏡的粘膜下層剥離術 73件
大腸内視鏡的粘膜切除術 159件
内視鏡的下部消化管出血止血術 28件?

膵臓グループ

内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査 801件
内視鏡的乳頭切開術 149件
膵超音波内視鏡検査 979件
膵超音波内視鏡下穿刺吸引生検 159件
内視鏡的膵壊死物質除去術 1件
体外衝撃波による膵石粉砕術 18件

肝臓グループ

経皮的ラジオ波焼灼療法 57件
肝動脈化学塞栓療法 62件
エコー下肝生検 77件

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